うる星やつらファンが交流を深める集会場
※当サイトは非公認・非営利の個人運営サイトです。著者または出版元とは一切関係ありません。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★作成者 もの実高志 @monomitakashi https://twitter.com/monomitakashi
(前置き)
3月3日は女の子の節句だ。5月5日は男の子の節句だ。となると4月4日はいわゆる「中間層の方々の健やかなる成長(?)」を祝う節句なのか?
となると、うる星キャラの中では潮渡渚くん(さん?)おめでとう、という事になるんかい?
竜之介は微妙~だな。親父は5月5日に祝ってやりそうだが、あの親父だと「祝う」を「呪う」と吹き込んでいそうだな(笑)。
(竜之介幼少期の回想シーン)
<竜之介の父>「今日は“団子の切苦”といって、皆が美味そうに食っている団子の元が団子になるためちぎられ苦しんでいるのを供養する日じゃ。」
「団子の呪いが我が子に降りかからんよう、大人が責任を持って団子を手厚く供養するのが、今日という日の昔からのしきたりなんじゃ。だから竜之介、きさまはこの団子に手を付けてはいかんぞ。子供が供養しようなどと食しようものならば、たちどころに“団子の呪い”がかかってしまうのじゃ~。」
<竜之介の父>「そういう事で団子は後でわしがしっかり供養するから、竜之介、きさまは“団子さま”がそこから逃げんよう、よーく見張っておくのじゃぞ。くれぐれもっ、自分が供養のために食べようなどという気は起こしてはならんぞ、わかったな!?」
<竜之介>「う、うん…そんなおっかない日なら、わかったよ…」
(そして現在)
<竜之介>「そうだったんでぇ…あん時親父に散々“団子の呪い”だの“団子供養”だの、わけわかんねー事吹き込まれて、結局半日団子の見張りやらされたんだぜ。くっそー親父のやつ~~っ!今日は4月4日だが、5月5日まで待てるかってんだっ!今日こそ勝負つけてやるぜ親父~~~っ!!!」
と、息巻いていたところへ、渚が。
< 渚 >「竜之介様、どーしたの?そーんなおっかない顔しちゃってぇ」
<竜之介>「てめーには関係ねぇよっ。…子供の日の嫌~な事を思い出しただけでぇ」
< 渚 >「あら、それだったらあたしだって」
<竜之介>「何があったんだ?お前の場合」
< 渚 >「そうねぇ…3月3日にお父様が工面してくれた1段飾りのお雛様飾って、お祝いしてもらったわね♪」
<竜之介>「…てめーの場合は5月5日だろ?…ったく、どっちの親も何考えてやんでぇ…。しかもおめぇのは“嫌な思い出”じゃなくて“楽しい思い出”だろ!?」
< 渚 >「あら、そうね。貧しかったけど、1年通しての節目には、お父様が必ず何かしてくれたわねぇ」
<竜之介>「あーそうかい、そうかよっ、羨ましいこって…。俺なんかなぁ…クリスマスもバレンタインも、あのクソ親父に騙され続けてここまできたんだぜ!?」
< 渚 >「うーん、それじゃあ…今日、ふたり一緒にお祝い、っていうのはどうかしら?」
<竜之介>「何で?」
< 渚 >「だって3月3日と5月5日の間でしょ?4月4日って。そんなに気になるなら、今日があたしたちのお節句、って事でどうかしら?竜之介様?」
<竜之介>「…間をとって今日かよ…まぁ…いいけどよ…」
<あたる>「ちょっと待ったーーーーっ!!」
と、そこへいきなり諸星あたるが。
<あたる>「おいオカマ。貴様はいいとしてだっ、竜ちゃんまで今日祝う事はないだろーがっ。彼女は立派なバストを持った、れっきとした女性じゃっ」
<あたる>「祝いたければひとりで祝うがよかろうがっ」
< 渚 >「あら、“端午の節句”が一番似合わなさそうなくせに煩悩だけは宇宙イチ、って聞いてる諸星くん、何ならあたしとどっちが男らしいか、腕っぷしで勝負する?」
<あたる>「…いや、それだけは死んでも遠慮しとく…」
< 渚 >「それにオカマじゃなくてあたしの名前は渚よ、ちゃーんと憶えてちょうだいっ」
それから渚は竜之介に向き合ってこう言った。
< 渚 >「さ~これから帰ってあたしと竜之介様の節句のお祝いしなくちゃ♪今の時期だと~桜餅か道明寺よねぇ。ね、竜之介様、帰りに一緒に買いに行きましょ♪」
<竜之介>「あ、ああ、まぁ…いいけどよ」
そしてあとに残されたのは諸星あたるひとり。
<あたる>「あのオカマ野郎に敵うわけがなかろーが…何を言っとるんじゃ、まったく…」
4月4日、中間層の方々を祝うめでたい節句。
そして竜之介は、渚と一緒に桜餅を頬張りつつ(こういうのも、ま、悪くねぇよな…)などと思っていたのであった。
--- E N D ---