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作成者 もの実高志 @monomitakashi https://twitter.com/monomitakashi

(短編)或る女子高生の会話

友引高校2年×組。クラスの後ろの席で、ある女子が友人としている会話。

<〇子(友人)>「アンタのとこの両親って面白いわよね~」

<ラムの娘> 「どこが?」

<〇子(友人)>「お父さんあんな感じなのに、お母さんちっとも愛想尽かさないっていうかさ」

<ラムの娘> 「単なる趣味の問題でしょ」

<〇子(友人)>「それにしても、羨ましいかなぁ。この間遊びに行った時だって、すっごい仲良さそうだったじゃない」

<ラムの娘> 「え~っ?んなことないって。ちっとも。ケンカしてばっかだし」

<〇子(友人)>「そうなの?」

<ラムの娘> 「そうっ!○子は知らないだろうけど、ケンカなんかしょっちゅうよ。ま、すぐに仲直りしてるみたいだけど…」

<〇子(友人)>「ふ~ん。でさ、お母さんの方がベタ惚れ、って話だけど…お父さんの方もまんざらでもない、っていうかさ」

<ラムの娘> 「…はっきり言っとくけど、見てるこっちが恥ずかしいんだってば。うちのパパとママ見てると」

<〇子(友人)>「恥ずかしいって、何が?うちなんかもう冷え切っちゃってさぁ…だからアンタのとこが羨ましいわけ」

<ラムの娘> 「親が仲いいのは、まぁ…結構な事だけどさ。ちょっとねぇ…アタシだって一応、思春期のオンナノコ、なわけだし」

<〇子(友人)>「どういう事?」

<ラムの娘> 「部屋が離れてるからいいようなもんだけど、いい歳して、恥ずかしげも無く、っていうか…もうっ、いい加減にして~~っ!って言いたい時だってあるわよ、そりゃ」

<〇子(友人)>「えっ、なになに?どういう事?」

<ラムの娘> 「…ご想像にお任せしますっ」

<〇子(友人)>「もしかして…歳の離れた弟妹(きょうだい)がデキちゃったりして…」

○子、口に手を当てて、意味深な笑いをこらえている様子。会話の主の彼女、頬を膨らませて○子を睨み付ける。

<ラムの娘> 「なに変な事言ってんのよっ!んな事あるわけないでしょー!」

<〇子(友人)>「…くくっ…まぁ、冗談はおいといてさ…お母さんめちゃくちゃ美人だし、あの歳でスタイルもいいからねぇ。両親の仲がいいってのもわかる気がするわ」

<ラムの娘> 「せめてもうちょっと、あの軽薄な態度やめてくれればいいんだけど、うちのパパ」

<〇子(友人)>「そう言えばさ、隣のクラスの面堂クン、アンタにコクったってホント?」

<ラムの娘> 「あーその話?もうやめてよ。大体うちのパパ、隣のクラスに面堂財閥の息子がいるって言っただけで目くじら立てちゃってさぁ。コクられた、ってママに話してるの聞かれちゃったら、それだけで“そいつだけはいかーんっ!”って」

<〇子(友人)>「へぇ~なんで?上手くいけば玉の輿じゃん」

<ラムの娘> 「どーもアイツのお父さんとは、なんか深~い因縁があるとか無いとか、で」

<〇子(友人)>「つまり、ロミオとジュリエット、みたいな?」

<ラムの娘> 「そんなロマンチックなワケ無いでしょ、あの面堂よ、面堂」

<〇子(友人)>「確かに顔もいいし、お金持ちだし、玉の輿間違い無し、だけどね。ま、アンタのタイプとはちょっと違うか」

<ラムの娘> 「アタシのタイプ?言った事あったっけ?」

<〇子(友人)>「どーもアンタって…ファザコンの気があるのよねぇ。お父さんの話ばっかじゃん、お母さんの事より」

<ラムの娘> 「誰がいつ、そんな事言ったのよっ」

<〇子(友人)>「話してればわかるって。アンタ、お母さんにそっくりだし~、性格もちょっと似てるじゃない?つまりオトコの好みも、似てるんじゃないかなぁ、と思って」

<ラムの娘> 「そんな事、どーでもいいでしょっ。アタシのタイプはそんなんじゃ無いんだからっ」

<〇子(友人)>「羨ましいって言えば…アンタってすごくモテるくせに、その中に“付き合ってみようかな~”って思うようなオトコいないの?いないんなら、私が分けて欲しいくらいだけどね」

<ラムの娘> 「どのオトコもちっとも面白く無いんだもん。ちょっとくらい軽薄でもいいから…あっ」

<〇子(友人)>「やっぱりねぇ~ファザコンだ~…くくくっ…」

<ラムの娘> 「そんな事、他の誰かに言ったりしたら~…」

<〇子(友人)>「はいはい、わかりました~。怒らせて感電させられちゃ、たまんないし~。ところでさ」

<ラムの娘> 「まだなによっ!?」

<〇子(友人)>「あの、アンタのお父さんにそっくりのお兄さんは元気なの?今、大学生だっけ?確か。…ああ、そっか、ファザコンもだけど、ブラコンでもあるわけだ、もしかして~」

<ラムの娘> 「だ~か~ら~!あのアホのアニキの事はどーでもいいでしょーがっ!今頃ちゃんと学校行ってるかも、怪しいもんだわ」

<〇子(友人)>「実家に来ないの?」

<ラムの娘> 「もう、全然っ。学校入ったら、それきり音沙汰無しよ。ママも呆れちゃっててさぁ。パパに似てるから、色々心配らしいけど」

<〇子(友人)>「ふ~ん…アンタんとこも色々気苦労が絶えないわけだ。…あ、チャイム鳴ったね。次の授業、なんだっけ?」

<ラムの娘> 「温泉マークの、英語」

<〇子(友人)>「あははっ、温泉の英語かぁ~。あの先生も長いよね、この学校」

<ラムの娘> 「たまにアタシに“両親は元気か?色々大変じゃないか?”なーんて聞いてくるけどね。懐かしいんだか心配なんだか知らないけど~」

<〇子(友人)>「それじゃあ私、席に戻るわ。また帰りね」

<ラムの娘> 「うん、じゃあまた後でね」 

もしかして。そう遠くない未来に、友引高校のとあるクラスで。ある女子高校生同士の、こんな会話が展開されているかもしれない。

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